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2024/08/28

8月25日(日)外国から来た人のための防災勉強会


8月25日(日)13:30-16:00、神岡町公民館にて、「外国から来た人のための防災勉強会」を行いました。

2024年は能登半島地震に始まり、つい先日までは南海トラフ地震臨時情報が出ており、線状降水帯の発生や、最強クラスの台風が近づいている今の状況で、外国の方々に十分な防災意識と準備があるだろうか、それが心配でした。

6月には飛騨市総合防災訓練がありましたが、回覧板が読めなければ、回覧板が回ってこなければ、あまりしっかりと情報は回ってこない。

会社の方が防災訓練に連れ出したところで、何をするのか、何をすれば良いのか、わからない。

日本語教室の生徒さんたちに防災の話をしても「ダイジョブ、ダイジョブ、私の国よりも雨強くない」、そんな調子です。


でも考えてみれば…日本人でもしっかりと備えている人は、そこまで多くないかもしれません。わたしも数年前まで何もしていませんでした。

そこで、主な目的は外国の方の防災意識の醸成と行動変容ですが、日本人にとっても自分の住む町で暮らす外国人と交流しながら防災について学び合える場として、今回の会を企画しました。


参加者は全部で32名。
外国の方が11名、日本人の小学生が4名、日本人の大人の方が17名という内訳です。
参加した大半の外国の方の日本語レベルは、日本語能力試験(JLPT)のN5〜N4程度です。

会は、次の構成で行われました。

第1部 防災基礎知識のお話
第2部 災害シミュレーションロールプレイングゲーム「風水害24」

講師は、
・飛騨市防災士会 北平智久さん
・地域サイエンスコミュニケーター 髙知尾理(夫) です。

参加者の皆さんには指定した席に座っていただき、外国の方と日本人が2人ペアまたは3人グループになるようにしました。(日本人の親子グループもありました。)


会の初めに、わたしから日本人の皆さんに「はさみの法則」で外国の方と接していただくようにお願いしました。

「はさみの法則」とは、やさしい日本語を話す際の考え方で、
○は:はっきり話す
○さ:最後まで言う(〜です。〜ます。と言い切る)
○み:短く言う
の頭文字です。

それからお互いに自己紹介をし、第1部を始めました。


第1部では、
・日本には、飛騨には、どんな災害がある?
・情報はどう得る?
・どんな備えが必要?
・自分の家や職場のハザードマップはどうなっている?

これらの観点でお話しいただきました。動画や写真、絵をたくさん用いたスライドを用意していただき、言葉が難しくてもイメージで理解できるような内容になっていました。

ペアの日本人と実際にハザードマップも確認しました。



第2部では、
・ルール説明
・自分が今回演じるキャラクターの設定確認
を行ってから、実際にゲームをスタートしていきました。



ゲームは、迫り来る大型台風から避難する、という設定の中で、
・自分が怪我したり死んだりしないようにすること
・少しでも多くの地域住民を救うこと
が目的で進んでいきます。

そのためにどう行動すれば良いのかを10個の選択肢から選び、
それを10ターン繰り返すというものです。



今回の会の目玉はこのシミュレーションゲームですが、これには大混乱が起きました。
ルールが複雑で、日本人も混乱。外国の人たちはもっと混乱。

ルール説明でも、極力やさしい日本語になるようにと工夫を凝らして準備をしたのですが、やはり難しかったようです…。

でも個人的にはこの混乱は有事にも絶対発生するものなので、とてもリアルだったんじゃないかなと思っています。

そしてこんな状況でも、日本人の皆さんが辛抱強くサポートしてくださったおかげで、小学生たちも元気に一生懸命頑張ってくれたおかげで、外国の方々もなんとか食らいついて、最後までやり通すことができました…!


ゲームの結果としては、ハザードマップを取得して確認した人が多かったこと、(もちろんゲーム上で)死者が出たけれども生き残った人が多かったこと、が挙げられ、前半の防災の基礎知識が生かされたのかなと思います。

最後には、他のペアともグループになって、振り返りと意見交換も行いました。



今回は初めての取り組みだったので、スムーズにいかないこと、やっぱり言葉や内容が難しかったこと等のいろいろな反省点がありますが、参加者の皆さんの協力があり、有意義な会を作り上げることができました。

参加した外国の方からのアンケートでも「難しかったけど、楽しかった」「ペアの人がたくさんサポートしてくれた」とコメントをもらいました。
小学生の皆さんもとても楽しんでくださったようでした!

今回の主な目的、外国の方々の防災意識の醸成と行動変容に少しでも繋がればと願うばかりです。

また、今回初めてippoの会に参加してくださった方が多くいらっしゃったので、また新しい繋がりや交流が生まれ、多文化共生に繋がっていくことも願っています。



ippoの活動は今年度初。
わたし自身が忙しくなったり、参加者が集まらなかったりで、ずっとできていませんでした。

しかも今回の会も、参加できる外国の方の数に合わせて日本人の参加者を募っていたので、一般募集できず、お声かけできなかった方がたくさんいらっしゃいました。ごめんなさい。

次は冬になってしまうと思いますが、またやりたいと思っています。
今回参加できなかった方には次の機会にぜひお願いしたいです!

これからも、ippo to the worldの活動への応援・ご協力をお願いいたします。

2024/06/17

飛騨市民カレッジ・シニア学部「外国人にも日本人にも『やさしい日本語』」


6月15日(土)に、飛騨市民カレッジ・シニア学部の講座でお話をさせていただきました。
テーマは「外国人にも日本人にも『やさしい日本語』」です。


初めての試みで、楽しんでいただけるか、「やさしい日本語」を"やさしくない日本語"で説明していないかなど、いろいろ不安でしたが、参加者の皆さんが明るく積極的な方ばかりだったので助けられました。

わたしにとっても大変良い経験となりました!



2024/03/12

(input)2月はシンポジウム等に参加してきました


先月2月10日(土)に、多文化共生シンポジウム「多文化共生をめぐる包摂と排除の理論 外国籍の子どもの就学義務化を求めて」へ、

2月23日(金)・24日(土)には、「市民の参加と協働を進める多様なコーディネーション実践研究集会」へ、参加してきました。

多文化共生に関する情報のインプットです。登壇者ではなく、ただの一般参加者です。



●多文化共生シンポジウム「多文化共生をめぐる包摂と排除の理論 外国籍の子どもの就学義務化を求めて」


日時:2024年2月10日(土)14:30~17:30
場所:東京外国語大学
主催:国際ボランティア学会第25回大会実行委員会、東京外国語大学多言語多文化共生センター


「『多文化共生』という言葉は何を意味したのか。30年近くも使われてきて、いったい何を達成したのか。」という概要文に関心を抱き、現地参加に踏み切りました。

感想としては、良かった点と不満だった点がそれぞれあります。


まず不満だった点は、結局、多文化共生の30年は何だったのかが分からなかったこと。

概要文の続きには「子どもたちの『教育への権利』の保障という視点から」と書いてあったので、その切り口で話されることは覚悟していましたが、それでも、

・わたしたちはこの30年がんばってきたんです!!という感情的な努力アピールに終始していたこと
・一人の登壇者が自民党批判や政府批判をするばかりで、自身は何をやったのか、何をやりたいのかが見えなかったこと

この二点から、結局この会の問いに対する答えが明確ではなく、論点もよく分からなかったことが残念に思います。

最後の質疑応答のコーナーで他の参加者の方が、「結局30年は何だったのですか?今ここで話されていることは自分が20年前に学生時代だった時に聞いていた話(課題)と大差ないように思うのですが…」と言ってくれたので、その答えが返ってくることに期待していたのですが、その回答もぼんやりしていました。


一方、良かった点は、二点。

オンラインではない対面のライブ感が自分にとってはとても刺激になったこと。
(イベントの設計も参加者同士が交流できる仕掛けを作ってくれたので、隣近所の見知らぬ人と話すきっかけができた。)

東京に住んでいた時は簡単に参加できたこういう会も、今となってはわざわざ時間とお金をかけて出向いていくことになるので、機会を無駄にしないようにしようという意識が働くこと。
(これは完全に個人的な理由ですが。笑)


結果、刺激を受けてモチベーションはなんかUPしたんだけど、何を得たんだろう?という感覚が残りました。。


あ、ずっと気になっていた映画「ファミリア」を見るに至るきっかけにはなりました。

そしてシンポジウム当日の様子は記事になっていました。

▼朝日新聞デジタル「外国人との共生、シンポで議論白熱 教育機会の保障や労働めぐり」



●市民の参加と協働を進める多様なコーディネーション実践研究集会


日時:2024年2月23日(金)10:30〜19:00、24日(土)9:30~15:30
場所:オンライン(リアル会場:東京ボランティア・市民活動センター)
主催:認定特定非営利活動法人 日本ボランティアコーディネーター協会(JVCA)


こちらは、「市民の参加と協働」というキーワードに惹かれて参加することにしました。現地参加する交通費よりは安く済みますが、参加費7,700円も払ったので、無駄にはできません…!笑



○オープニングセッション 「共生社会」をめざすうえで自覚しておきたいこと マジョリティの側が陥りやすい「多様性」の落とし穴


オープニングセッションでは3名の登壇者とコーディネーター1名が「マジョリティの特権」について話していました。登壇者の一人である上智大学外国語学部の出口真紀子教授は、このテーマを特に専門としていらっしゃる方で、他のメディアでも発信されています。

▼NHK「あなたは優位な立場かもしれない 気づきにくい“特権”とは」

▼JALT2021 Makiko Deguchi Plenary: What is Japanese Privilege? Privilege Construct in Japanese Context
↑こちらは英語の動画ですが、今回のオープニングセッションで話されていたこととほぼ同じです。


内容としては、以下のようなものです。

・マジョリティ(多数派)は自分が持っている特権に気づかない
・マジョリティ側が当たり前のようにできることを、マイノリティ側(少数派)は同じようにすることができない
・それをマジョリティ側は、マイノリティ側の努力不足とみなすが、実際は努力の問題ではなく環境の問題である
・マイノリティ側がその状況を打破しようと声を上げると、マジョリティ側は「またマイノリティの奴らが文句を言っている」と煙たがる
・一方で、マイノリティ側の人たちというものは弱々しくて可哀想、助けてあげなければいけない存在、という「マイノリティ像」を捨てないといけない(不公平な状況にある中で、マイノリティ側はしたたかに生きていく必要がある)
・マイノリティ側がしたたかであろうがなかろうが、マジョリティとマイノリティという構造と環境は変わっていない



例えば、これは、わたしがイギリス留学していた時の話です。

・学校帰りや休みの日にただ道を歩いていたら、「ニイハオ!」といきなり声をかけられる(挨拶をしてくれているんじゃなくて、からかわれている)、中国人を侮辱する差別用語を投げかけられる、卑猥な言葉を言われる。

・スーパーのレジで受け取ったお釣りの金額が違う気がして、少ないと思うんだけど…と言っても「ちゃんと渡したわよ!」と確認もしないで言い放たれる。

・IELTSという英語の試験の返金手続きをしていて、きちんと振り込まれていないので何度も問い合わせをしても「振り込みました」と言われるだけで記録を確認してもらえず、最終的に返金額を受け取るのに半年も闘った。

こういうことは、わたしがイギリスで外国人という立場でなければ、もう少しまともに取り合ってもらえただろうし、アジア人という見た目でなければ(あと女性でなければ)言われなかったであろう言葉たちです。

マジョリティ(イギリス人・白人・男性・英語話者)は、マイノリティ(外国人・アジア人・女性・英語は第二言語)が体験することをどこまで理解できるでしょうか?(けなしているのではありません、問いかけています)

これらは、わたしの努力不足が問題でしたでしょうか?

わたしが正式に返金を受けるために声を上げ続けたことは、マイノリティのわがままでしたでしょうか?


そしてこういうことは、日本人が圧倒的マジョリティとなる日本国内で、同じようなことが外国の方に対して起きていないでしょうか?


人種だけではなく、性別や性的志向や性自認、学歴や社会階級、身体・精神状態、居住地域など様々な項目があり、一人の人間でも項目によってマジョリティかマイノリティかは変わります。

このテーマは非常に重要なテーマであり、いろんな人と一緒に考えたいことだと思いました。



○分科会A6 違いや多様性は“混ざる”からこそ意味がある 「つなぐ人」がいることで何がどのように変化するのか


1日目はこちらの分科会に参加しました。
内容はかなりざっくり言うと、登壇者それぞれがどんな風に他の組織と協働して物事を成してきたかというお話でした。

参加者も、自治体の国際交流協会や社会福祉協議会やNPO法人の方などで、みなさん仕事として活動していらっしゃるようだったので、「事業を回すためにどうしたらいいか」という視点で聞いていらっしゃるようでした。

わたしの感想としては、登壇者の話の中で「利害で組む」「お願いではなく、ご提案」というのがあり、いつも損得勘定で動くのは違うとは思うけれども、思いやりや善意だけでは持続可能ではないので、誰かと協働していくためにはお互いがwin-winになるような設計が必要だと感じたことでした。



○分科会B6 地域の多文化共生をのぞいてみよう 外国人住民と共に考え・共に創る地域社会


2日目は本丸の多文化共生。
日本で活躍されている外国の方(バングラデシュ人1名、ネパール人2名)のお話で、それぞれが今の活動や仕事をするに至った経緯などのライフストーリーを聞きました。
外国の方視点から話が聞けたのは良かったです。

特に印象に残ったのは、日本にいる同胞に対して日本での生活での困りごとをヒアリングするだけではなく、「私たちが日本に対して教えられることは何か」ということを話しているというのを聞いたことです。

ついついマジョリティの日本人目線になってしまうと、どんな支援・サポートが必要かということに意識が行ってしまいがちだけれども、外国の方がどんなふうに自分のスキルを発揮できるかという視点に立つのはシティズンシップの観点としてもとても重要な考え方だと改めて気付かされました。

この視点は今後の活動でも大事にしていきたいと思っています。


ただ、全体的な感想としては、シンポジウムの時の感覚が裏付けされたような感じです。

多文化共生の分野において議論されていること、共有されていることは、個別の成功事例以外にはいつでもどこでも同じようなことで、新しい情報は無いのだなと感じました。

ブレイクアウトルームで他の参加者と意見交換する時間がありましたが、結局「交流のきっかけに食べ物はとても良いよね」「対話は大事だよね」「やさしい日本語必要だよね」といった表面的で当たり前の話にしかなりませんでした。

どんなふうに地域横断的に協力し合えるのか、これまでの活動の中での失敗からどんなことが学べ、どう他の地域でも応用できるのかなど、そうした具体的に踏み込んだ話題に議論が進められたらよかったなと思いました。

…まあ、批判するのは簡単で、実際に踏み込んだ話題で話す場作りは大変なんですけどね。。



そこまで新しい情報がないということがわかった今、あとやることはインプットではなくアウトプット=活動ということだと認識しました。

しかし、ただのイベント屋になりたいわけではないので、ここ飛騨では、改めて一人一人に寄り添い、ニーズに合わせた活動をしたいと思っています。